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グッバイ、たばこ
5月31日はWHO(世界保健機関)により定められた「世界禁煙デー」です。厚生労働省は世界禁煙デーから始まる一週間を「禁煙週間」とし、たばこの健康影響等の普及啓発を強化する機関として取り組んでいます。受動喫煙によって非喫煙者の健康が損なわれることも問題となっています。
今月は、喫煙の危険性や禁煙の重要性等について、一人ひとりが身近な問題として捉え、継続して取り組めるように対策の推進などを紹介します。
最初の喫煙のきっかけ
たばこは健康にダメージを与える最大のリスク因子であり、より若いうちに喫煙を始めるほど、そのダメージが大きくなるため、若年者が「最初の1本」を吸わないことが極めて重要です。
若年の喫煙者が最初にたばこを吸い始めたきっかけに関する調査結果が2022年に国立がん研究センターから公表されています。「身近な人が吸っていた、たばこが身近にあった」などに続いて、「テレビや映画で役者が吸うシーンが格好良いと思った」(22.8%)や「たばこの広告を見て関心を持った」(11.5%)など、たばこ産業の干渉の影響を示唆するデータが示されています。
広告規制の効果について
上記で記したように、たばこに関する広告の影響力はとても大きいものです。たばこ製品の広告や宣伝、スポンサーシップを禁止すると、喫煙の可能性が20%低下し、喫煙習慣のリスクが37%低下する可能性があると、オーストラリアの大学が発表しました。これは、たばこの広告と宣伝がたばこに対する認識と受容性を高め、喫煙に対する肯定的な態度を喚起するためです。喫煙習慣が原因で世界中で約800万人近くが死亡していると指摘されています。特に若年者は、広告等の悪影響を受けやすいことが分かっています。WHO等もたばこの規制を定めていますが、実りある結果には至っていません。
禁煙は周囲への愛
喫煙者が吐き出した「呼出煙」とたばこから立ち上がる「副流煙」にも、多く有害物質が含まれています。煙に含まれる発がん物質などの有害成分は、喫煙者自身が直接吸い込む主流煙より副流煙に多く含まれるものがあり、受動喫煙による健康への影響は深刻です。
普段たばこを吸わない人は、たばこの煙に対する感受性が高く、他人の煙を吸うと、少量でも大きな健康被害を受けるという報告があります。
最近では分煙にする飲食店等も増えていますが完全に遮断することはできません。たばこ臭=残留受動喫煙による被害となります。一日でも早く禁煙することが周囲への愛となります。
成功に導く禁煙プランの立て方
禁煙は、呼吸器疾患の予防や治療に欠かせない、大切な健康管理の方法です。まず、プランをたてながら、じっくり気持ちを固めていきましょう。
- 禁煙する理由をはっきりさせる
自分だけの禁煙理由を確認します。動機付けはとっても大切。 - 周囲の人に禁煙の決心を伝える
つらいときには励ましてもらえます。 - 吸いたくなる状況を把握し、対策を立てる
イライラしたとき吸いたくなる人は、深呼吸をしてみましょう。 - 禁煙開始日を決める
禁煙を始める日は、あなたにとって新しい人生のスタートになる日。誕生日や結婚記念日はいかが? - 離脱症状対策
離脱症状は、体内からニコチンが抜けていくときに現れる不快な症状です。ピークは2、3日目くらいまでで、禁煙開始後1週間程度で消失します。依存度が高い人は、ニコチンガムやパッチを用いることを考えましょう。 - 禁煙外来の活用で成功率UP
禁煙外来のカウンセリングでは、一人ひとりにあった実践的なアドバイスをしています。禁煙外来とカウンセリングの両輪で成功率がアップします。
院長メッセージ
最新の喫煙率は低下傾向にあるものの、鈍化しています。特に20代の喫煙率は依然として高い水準にあります。近年、加熱式たばこの利用が急速に拡大しており、2022年には加熱式たばこの消費量は522億本に達し、特に若年層での利用率が高く、20代男性の約40%、20〜30代女性の約50%が利用しています。
加熱式たばこへの切り替えは禁煙への可能性を低くするという報告もあり、加熱式たばこのリスクをしっかり伝える必要があると思われます。2022年までに喫煙率を12%にまで引き下げる目標を掲げていましたが、なかなか難しいのが現状です。禁煙は自分の健康にとって、とても大切な第一歩です!
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る