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忘年会・新年会シーズン到来! 上手にノンアルコールへ
近年、「健康経営」への関心がますます高まり、多くの企業で取り組みが進んでいます。重要性を理解したうえで、従業員の日常行動に落とし込む施策づくりが求められています。一方で、飲酒に関する領域では、企業側と従業員側の意識にギャップがあることも少なくありません。「飲酒による健康リスクへの理解が不十分」「減酒への抵抗感が強い」などの課題が指摘されています。今月は、忘年会・新年会シーズンに向けて飲酒習慣改善の取り組みについて紹介します。
飲酒習慣改善への取り組み
上記で述べたように、飲酒に関する領域では、企業側と従業員側の意識にギャップがあることも少なくありません。保健指導従事者約500名へのアンケートでも、「中高年層への飲酒習慣改善は難しい」という声が寄せられました。そこで、アサヒビールでは筑波大学との共同研究をもとに、飲む量・飲みごたえはそのままに、純アルコール量を減らす『ノンアルコール飲料を活用した飲酒量コントロール(減酒サポートプログラム)』を提案しています。従業員に飲酒量を見直すきっかけを提供し、健康経営の一施策として活用できる、有用性の高い取り組みとして注目されています。
アサヒビールと 筑波大学の共同研究
本プログラムの基盤となっているのは、アサヒビールと筑波大学が共同で実施した「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することの実証」研究です。参加者123名を介入群と対照群に分け比較しました。試験期間中には参加者にアルコール飲料とノンアルコール飲料の摂取量を記録してもらいました。その結果、介入群は観察前に比べて飲酒量が約3割減少し、観察後も継続してノンアルコール飲料に置き換えられた人の割合は約6割でした。
無理なく続ける減酒
筑波大学の吉元准教授は、保健指導を実施する際には「アルコール飲料を減らすよう指導するより、ノンアルコール飲料に置き換えましょう、とワンクッション置く方が減酒につながりやすい」と述べています。 アサヒビールが提唱する「減酒サポートプログラム」は、この知見を踏まえた“無理なく続けられる減酒”に焦点を当てた飲酒量コントロールです。保健指導の場でも、減酒を達成させるために高い有用性が期待できます。
ノンアルコール飲料を活用した 飲酒量コントロールを実践した事例紹介
ここでは、実際に飲酒量コントロールを実践した事例を紹介します。
対象者
- 飲酒に関する課題がある従業員
- 本取り組みに参加希望した従業員
- アルコール依存症患者、妊娠中や授乳中の方、過去に肝臓の病気を診断された方を除く
概要
参加者にノンアルコール飲料の提供と合わせ、保健師よりノンアルコール飲料を活用した飲酒量コントロールに関する指導を実施。 期間中は日々の飲酒量の記録を行う。
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この取り組みにより、比較対象期間に記録を 確認することができた参加者58%に 純アルコール摂取量の減少がみられました。
従業員の声
- ノンアルコール飲料を飲んでみると、かなり 満足感もあり、翌日を気にしなくて良い等の メリットを感じた。
- 頻度や量を可視化することで、自分の認識とのズレを確認できた。
- それほど飲みたいわけでもない時にノンアルコール飲料を選択するようになり、 アルコール飲料を飲むことが減った。
- ノンアルコール飲料を飲む機会が増え、 週に1~2回は休肝日を設けることができた。
導入企業の保健師の声
当社では、お酒を飲む従業員が多く、「健康経営」の推進テーマの一つとして「飲酒課題への 対策」に取り組むことを検討しておりました。 参加者からは「意外に楽しく純アルコール量を 減らせた」といった前向きな声が寄せられ、 現在も飲酒量の記録を継続している方もいます。 これまで課題とされていた飲酒指導においても、行動変容が見られたことから、実施してよかったと感じています。
院長メッセージ
飲酒量を適切にコントロールするためには「完全にやめる」ではなく飲み方の工夫が大切です。通常のお酒からノンアルへ置き換えることで摂取アルコール量を確実に減らせます。”飲む習慣”を保ちながら実行しやすいですし、最近のノンアルは味も質感もかなり優秀です。宅飲みはノンアルに替えるだけでも大きな効果があります。無理なく続けられる工夫が健康的な飲酒習慣への第一歩です。”お酒を我慢する”のではなく”選び方を変える”新しい選択肢としてノンアルコール飲料を賢く活用してみましょう。
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る