目次
4月9日は「子宮の日」
4月9日は子宮頸がん予防を啓発するための「子宮の日」です。
子宮頸がんの原因になるヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性の50%以上が、一生に一度は感染すると言われています。HPVの感染は、HPVワクチン接種で防ぐことができ、それにより子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができます。
今月は、HPVや子宮頸がん予防のための検診・ワクチン接種の重要性について紹介します。
若い世代でも多い 子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、日本では、毎年一万人以上が新たに子宮頸がんと診断され、年間約2900人が亡くなっています。
また、子宮頸がんは20~30代の若い世代でも罹患します。早期に発見できれば、命や子宮を守ることができますが、就労や結婚、出産、子育てなど、女性にとって大きなライフイベントを迎える時期での発症率も高く、女性の人生に大きな影響をもたらしています。
製薬企業のMSD㈱は、専用サイトを公開し、Q&A方式で子宮頸がんについての解説を載せています。
HPVと子宮頸がんのこと
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルスの感染です。子宮頸がんはHPVワクチンと検診(細胞診・HPV検査)を組み合わせることで、撲滅が可能ながんとして世界的に認知されています。実際に多くの先進国で子宮頸がんに対策した結果、罹患率や死亡率は減少しています。しかし日本では、ワクチン接種と検診の対策が十分に普及していないことを背景に、罹患率と死亡率はともに増加が続いています。特にワクチンは副反応への懸念から積極的推奨が控えられていました。国立がん研究センターはHPVに関連するがんの対策について、一般向けの分かりやすいリーフレットを公開しています。
ワクチン接種は効果的
子宮頸がんを予防するために、最も効果的な方法は男女ともにHPVワクチンの接種を受けることです。ワクチン接種を受ければ、感染を防ぐことができます。個人の免疫を高めるだけでなく、集団免疫も獲得でき、子宮頸がんの発生率を大きく低下できます。
スウェーデンではワクチン接種は、当初12歳女子にのみ行っていましたが、2020年以降は男女ともに提供されるようになりました。男女ともにワクチン接種を受けることで、より強い集団免疫が得られることが示されたのです。
一定の年齢に達した女性は、がん検診(子宮頸がん・乳がんなど)の定期的受診が重要です。
子宮頸がんQ&A
子宮頸がんを知り、早めに対策を始めることが重要です。ここでは、原因・予防・治療についての基本的な情報を解説します。
子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんです。主にウイルスの感染が原因です。初期にはほとんど症状が出ないため、自覚症状があらわれることなく進行していくという特徴があります。
子宮頸がんの症状とは?
子宮頸がんは通常、初期には症状がほとんどありませんが、進行するにしたがって不正出血、性行為の際の出血などがあらわれてきます。自覚症状が出たときには、すでに進行していた、ということもあります。
子宮頸がんの予防法
①HPVワクチン接種
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ予防接種です。HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。
②子宮頸がん検診
子宮頸がんの予防には、定期的な検診が必要不可欠です。定期的な検診により、がんになる前の段階やがんの初期に発見することが大切です。また、ワクチン接種をしていても、20歳を過ぎたら2年に1回、検診を受けることが推奨されています。
院長メッセージ
日本では毎年10000人以上の女性が新たに子宮頸がんと診断されています。また、年間約2900人の女性が子宮頸がんで命を落としています。G7の中で子宮頸がんの死亡率が増加しているのは日本だけです。セクシャルデビュー(初めての性交渉)の低年齢化などにより、日本では20代~30代の子宮頸がん発症数が増加しています。特に2000年以降の増え方は顕著で、亡くなる方も増えています。
最近、テレビでも「子宮頸がんはワクチン+検診から」という啓蒙が行われています。子宮頸がんは、もはや助かるがんの一つです。ワクチンで予防し、二十歳からの検診を積極的に受診することで、子宮頸がんで亡くなる女性は確実に減少すると私たちは願っています。
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る