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健康診断で高血圧を指摘された後、医療機関を受診していますか?
健康診断で新たに高血圧が発見された人が、その後に医療機関を受診する割合は低いことが、琉球大学が協会けんぽの所管する約三千人のデータを解析した研究で明らかになりました。
しかし、健康管理の担当者のいる事業者では、高血圧の従業員の受診率は改善することも分かっています。
今月は、改めて高血圧の定義について触れるとともに、血圧が上がりやすい寒い時期の過ごし方など、血圧全般について紹介します。
血圧について
心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返しながら血液を血管に送り出しています。その際に血液が血管の内側に与える圧力が「血圧」です。
高血圧とは、安静にしている状態で正常値よりも血圧が高い状態を指します。運動後や気温の変化によって上昇することもあるため、たまたま測定したときに数値が高く出ることもあります。一過性の場合もあるので、測定を繰り返した上で「高血圧症」と診断されます。健診で高血圧と診断された場合は、家庭内で血圧を測定することがお勧めです。
現在の血圧が正常値でも普段の生活に注意していることが重要になります。
正常値と測定方法
高血圧の診断では診察室血圧に加え、家庭血圧が大きな役割を果たします。
高血圧の基準は家庭血圧で135/85mmHg以上、診察室血圧では140/90mmHg以上と定義され、正常血圧は家庭血圧で115/75mmHg以下、診察室血圧で120/80mmHg以下とされています。
正常血圧と高血圧の間は正常高値血圧と呼ばれ、将来的に高血圧になりやすいと言われています。
高血圧での 医療機関受診率は低迷
心疾患や脳卒中などの循環器疾患は、日本で死亡や要介護状態になる原因の上位を占めており、高血圧が重要な危険因子になっています。
そのため健康診断で高血圧などの危険因子のあるハイリスク者を見つけて、医療的管理に繋げることが重要です。特に職域は若・中年層の健康増進と疾患予防を推し進めるのに適した場です。大規模事業所では産業医などの健康管理担当者が従業員に適切な指導を行い医療機関を受診しやすい環境を作っています。中小規模事業所でも健康管理体制を整え、健康診断後の医療機関受診率を高める必要があります。
日常生活でできる 高血圧の予防・改善
生活習慣を見直すと、血圧への好影響が 期待できると言われています。 降圧薬服用の有無にかかわらず、生活習慣を積極的に見直し、修正してみましょう。
- 外食や加工食品に注意し、麺類やスープを残す
- 家出の調理や食卓では、塩分が多い調味料を減らす
- 酢や香辛料は食塩を含まず、血圧への悪影響はない
- 調味料の塩分は塩→醤油→味噌→ソース→ケチャップの順
- 食品の塩分がNa表示の場合は、食塩の量は2.5倍になる
- 減塩の醤油や塩の使用を考慮する
- 食品摂取量を評価することが望ましい
- 食塩の摂取量は塩分の濃度×食べる量
食事での改善だけでなく、適正体重の維持も不可欠です。 肥満を伴う場合は、減量をお勧めしますが、急激な減量は身体に害を及ぼすこともありますので、長期計画のもとに無理のない減量をしていきましょう。
院長メッセージ
気を付けよう!冬の高血圧。
寒くなってくると心配なのが血圧です。特に冬場の血圧変動は要注意です。春から秋は正常でも、冬は血圧が上がりやすい傾向にあります。
寒さに曝露されると血圧は上昇しますが、冬は運動不足になりがちで発汗が少なく、食事も鍋など塩分の多い食事が増えることも要因となります。
高血圧の診断基準も以前より厳しくなってきていて正常は120/80mmHg以下です。130mmHgを超えると「血圧が高め」と言われ注意が必要です。ケアを始めるポイントは血圧130台です!
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る