目次
インフルエンザ 大流行の兆し!
先月号では、「インフルエンザは今シーズン流行するのか」について取り上げましたが、今月に入って日本感染症学会が、今冬に備えてインフルエンザワクチンを積極的に接種するよう呼びかけました。
昨季はコロナ禍でマスク着用や手洗いなどの感染対策が徹底されインフルエンザ患者が激減しましたが、それにより集団免疫が十分に形成されておらず、今季は大規模な流行が懸念されます。今月はインフルエンザに対する基礎知識をおさらいしていきます。
今シーズンは 早期の流行に注意
昨季にはインフルエンザと新型コロナの同時流行が危惧されましたが、同時流行はみられませんでした。では、2021~2022年シーズンはどうでしょう?日本感染症学会は今シーズンのインフルエンザは早期に流行が始まる可能性があると示し、早めに積極的なインフルエンザワクチン接種を、と呼びかけています。WHOはアジアの熱帯地域やインドで2021年夏季にA型/B型の流行が確認されたと報告しています。
「ワクチンで予防できる疾患については接種を行い、医療現場の負担を軽減することも重要」と同学会では指摘しています。
インフルエンザワクチン 接種の時期
新型コロナの影響により、インフルエンザ流行の時期がずれる可能性もありますが、できるだけ速やかに接種することが望ましいです。国内では現在、新型コロナワクチン接種を進めています。新型コロナワクチンとその他のワクチンとは、互いに片方のワクチンを接種してから2週間の間隔を空けることになっています。このため、ご自身の接種状況をきちんと把握することが大切です。
ワクチン接種のために医療機関を複数回受診する必要がありますが、それを負担と考えてワクチン接種頻度が低下するような事態は避けなければいけません。
風邪とインフルエンザ の違いとは?
風邪とインフルエンザは似ている症状もありますが、原因となるウイルスが異なります。
| 風邪 | 原因:アデノウイルス、ライノウイルス 症状:咽頭痛、鼻水・鼻づまり、くしゃみ、咳、発熱など 症状の現れ方:比較的ゆっくり 症状が現れる部位:喉や鼻など局所的 |
|---|---|
| インフルエンザ | 原因:インフルエンザウイルス 症状:高熱(38~40度)、頭痛・関節痛、強い寒気、強い倦怠感など 症状の現れ方:急激 症状が現れる部位:全身 |
また、ウイルスは種類によって活動時期が異なります。インフルエンザは12~3月に活発化します。
知っておきたい! インフルエンザの感染と対策
かかってしまった時の対処法
インフルエンザと疑われるときは、安易に風邪と判断せず早めに医療機関を受診し、治療を受けましょう。発症後48時間以内に抗ウイルス薬を服用・吸引すれば、症状が軽減され、早く治ることが期待されます。(対象は1歳以上)
早めに治療することは自分の身体を守るだけでなく、周りの人にインフルエンザをうつさないという意味でも重要です。
以下の対処法も併せて行いましょう。
- 安静にして休養をとる。特に睡眠が重要!
- 部屋の温度や湿度を適切に保つ。 (室温18~20℃、湿度50~60%程度)
- 水分を十分にとる。 (お茶やスポーツドリンク、経口補水液など)
感染を拡大させないために 対策しましょう!
感染経路をきちんと把握しましょう
インフルエンザは、インフルエンザに感染している人の咳やくしゃみ、会話の時に拡散されたウイルスを鼻腔や気管など気道に吸入することで感染します。
感染の多くは、この「飛沫感染」によると考えられ、ドアノブなどの環境表面についたウイルスへの接触により、鼻や口などの粘膜や傷口などを通して感染する「接触感染」も成立します。
玄関での手指消毒でウイルス・細菌を持ち込まない!
身近な感染対策でまず考えたいのは、家庭内にウイルスや細菌を持ち込まないこと。そのために帰宅してすぐに玄関でしっかりと手指を殺菌・消毒することが重要です。
院長メッセージ
すっかり秋の気配で気温も急激に下がってきました。寒暖差が大きくなると、それに伴うエネルギー消費も大きくなり、免疫力低下による「寒暖差疲労」という症状が見受けられるようになってきました。
なんとなくダルい、食欲がない、疲れやすいなど、心身の不調を自覚するときには、免疫力が低下しているアラームです。ゆっくりとお風呂に入ったり、心身を温める食事を心がけたりしてみてください。
また、免疫力が低下している時に一番気をつけなくてはいけないのが、インフルエンザを代表とする感染症です。新型コロナウイルスの感染が落ち着いてきた今、新たな感染を流行させないためにもインフルエンザ予防接種を積極的に実施していきましょう!
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る