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「野菜を食べている人」は 新型コロナ発症リスクも低下
野菜などの植物性食品を十分に食べる食事スタイルにより、新型コロナに感染するリスクを低下でき、感染しても重症化するリスクを抑えられる可能性があることが明らかになりました。新型コロナは、糖尿病や肥満のある人で重症化しやすいことが知られています。2型糖尿病や肥満は、食事や運動などの生活スタイルから大きく影響を受けており、特に食事の影響は大きい因子です。
今月は、新型コロナと生活スタイルの関連について紹介します。
健康的な食事で重症化リスク低下
米マサチューセッツ総合病院の糖尿病ユニット・ゲノム医学センターが、59万人以上の成人を対象に調査を行いました。研究グループは、参加者のパンデミック前の食事スタイルについて食事質問票により調査し、野菜や果物などの健康的とされる植物性食品を多く摂取している場合に高スコアとなる手法で食生活を判定しました。
調査期間中に参加者の中の3万1815人が新型コロナに感染していました。解析した結果、食事スコアが最も高いグループでは、新型コロナの発症リスクが9%低く、新型コロナが重症化するリスクも41%低かったのです。
植物性食品がカギ
植物性食品中心またはペスカタリアン(魚類は食べるが肉は食べないベジタリアン)の食事スタイルを持つ人は、野菜・豆類・大豆・ナッツ類の摂取量が多く、赤身肉や加工肉の摂取量が少ない傾向にあります。研究チームは大規模で更なる検証が必要としながらも、植物性食品や魚を多く摂る質の高い健康的な食事スタイルが、新型コロナに感染したときの重症化予防に効果的である可能性を示唆しています。
コロナ禍で積極的な運動習慣が減っている中、食事スタイルをより質の高いものへ移行していくことで、免疫力向上など新型コロナに対して有効になる可能性があるのです。
免疫力を高める生活を
新型コロナに関わらず、様々な感染症に強い身体をつくるためには免疫力を上げることも大切です。そもそも免疫力とは、「疫(病気)を免れる力」で、身体の中で抗体ができる生体反応です。ウイルスや病原体などの身体にとっての異物が侵入すると、免疫システムが働き、侵入してきた異物から体を守ります。この免疫システムを正常に作動させるためには免疫力を高める必要があり、それは食事など普段の生活を工夫することで可能となります。
例えば、免疫力を高める栄養素には、良質なたんぱく質やビタミン類、亜鉛などのミネラルが挙げられます。左記に、詳しい栄養素や食べ物を紹介します。
あなたの生活スタイルは? 免疫力を高める食事と生活
免疫力を高める栄養素
- 細胞の主成分となるたんぱく質
- 酸化から細胞を守るビタミンA、C、E
- 身体の調子を整える亜鉛やマンガンなど
免疫力を高める食べ物
1.きのこ
きのこには、免疫力を高めるために重要な器官である腸の働きをよくする食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている。
特に、きのこに含まれるβグルカンという成分は、腸の免疫細胞に直接作用するので、免疫力を高める効果があると言われている。また、免疫機能を調整するビタミンDも多く含む。
2.魚介類
魚にはたんぱく質の他に、免疫機能を調整するEPAやDHAといった脂肪酸が豊富に含まれる。
また、鮭やエビには抗酸化作用のあるアスタキサンチンが豊富に含まれ、外敵である活性酸素から細胞を守る効果もある。
免疫力を高める生活
1.十分な睡眠
睡眠不足は免疫力を大きく低下させる要因の一つと考えられている。
睡眠が乱れると活性酸素が増え細胞を傷つけることで免疫力が低下してしまう。また、睡眠不足は身体にとって大きなストレスになるので、精神的ストレスが免疫力低下につながる。
2.適度な運動
コロナ禍により在宅ワークが増え、一日中座位で過ごす人も増えている。
運動不足は肥満や喫煙以上にコロナ重症化の危険因子となることも分かっている。30分ごとに立ち上がる、有酸素運動を週150分程度取り入れるなどの工夫を!
院長メッセージ
新型コロナウイルス感染者の減少にともない、社会活動も日常に戻りつつありますが、全く心配なしという状況ではありません。今年の冬はインフルエンザの流行も懸念される中、最終的には免疫力との闘いになってきます。そこで、野菜を十分に食べている人は新型コロナウイルスに感染するリスクが低く、たとえ罹患しても重症化するリスクは低いという報告が発表されました。運動と食事は生活習慣の両輪ですが、中でも野菜をしっかり食べることで感染症対策になることが分かってきましたので、毎日の食事の中で積極的に野菜を取り入れ、免疫力をアップしていきましょう。
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る