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はしか(麻疹)最前線
「はしか」と呼ばれる麻疹の感染者が国内で増えています。麻疹は、麻疹ウイルスによって起こる急性の全身感染症です。
突然ですが、問題です。
Q ある感染症の免疫を持たない集団に1人の感染者がいたとします。インフルエンザの場合2~3人感染します。では、はしかの場合は何人感染するでしょうか?(選んでください)
① 2~3人 ② 7~9人 ③ 16~21人
答えは③ 麻疹の感染力は強力なのです。
はしか(麻疹)の症状
麻疹ウイルスの潜伏期間は10日~12日程度。麻疹にかかると次のような症状が出ます。
感染初期
(2~4日) 鼻水・くしゃみ・38度の発熱そして頬の粘膜部分に白い斑点(コプリック斑)が現れます。風邪と非常に似ています。
発疹期~回復期
一時的に少し熱が下がります。しかし、再び39度以上の高熱となり、全身に赤い発疹が現れます。発疹から3~4日で熱は下がり、10日程で発疹は消えます。 肺炎・脳炎等の併発により死亡するケースもあります。
かかりやすい人は?
今年28歳から41歳の方は要注意です。ポイントは、ワクチンを2回接種したかどうかです。現在は、 1歳と小学校に入る前の1年間の計2回ワクチン接種を受けることとなっています。しかし、予防接種制度は過去数回変更されています。平成2年4月1日以前に生まれた方の当時の制度は、1回接種でした。40歳代以上では任意接種のため、接種をしていない方もいると考えます。
はしか(麻疹)予防策
唯一ともいえる予防策がワクチン接種です。1度の接種で約95%の人が免疫を得る事ができ、2度接種を受けることでほぼ100%の人が麻疹に対する免疫を獲得できるとされています。有り難い事に1度獲得した麻疹に対する免疫は一生持続します。
麻疹に罹ったか分からない、ワクチン接種が不明な方は、まず母子手帳をご確認ください。母子手帳が確認できない場合は、医療機関で抗体検査を受けられますので、かかりつけ医師に相談しましょう。
はしか(麻疹) Q & A ‼
「麻疹」「麻しん」「はしか」はいずれも同じです。「麻疹(ましん)」と書いて「はしか」とも読みます。近年は「疹」の字が常用漢字でないため「麻しん」とも書かれています。医学用語では「麻疹」、行政用語では「麻しん」が使用されますが、「はしか」の方がわかり易いのでよく用いられます。
「三日ばしか」は風疹のことです。 麻疹とはウイルスが違います。 「三日ばしか」は風疹ウイルスが原因で、咳やくしゃみなどの飛沫感染です。感染から 14〜21日の潜伏期間の後、38℃程度の発熱と同時に、発疹・リンパ節の腫れ・咳・ ノドの痛み・目の充血等の症状が現れます。風疹の最大の脅威は「妊婦が風疹に罹ると 胎児への影響が発生する」可能性があることです。麻疹・風疹は、ワクチン接種で予防 しましょう。
二次感染を防ぐためにも、麻疹の恐れがあることをあらかじめ伝えてから受診することをお勧めします。 また、公共交通機関の利用はなるべく避けるようにしましょう。
出社の目安には、決まりがありません。 しかし、麻疹は空気感染で広がります。 通勤時や会社内で感染が一気に拡大する恐れがありますので、学校保健安全法で定められている児童・生徒と同様に、解熱後3日を 経過してから出社するようにしましょう。
院長メッセージ
はしか(麻疹)」の流行が沖縄を中心に急速に広がっています。麻疹は、インフルエンザに比べて感染力が10倍です。
飛沫、接触、空気感染と様々なルートで感染が拡大するのが麻疹の特徴です。麻疹に免疫がない人が感染すると、ほぼ百パーセント発症します。潜伏期間が10~12日間と長いこと、また、大人が感染すると約3割の患者さんに合併症が発症するというのが大きな問題です。特に、肺炎、脳炎は重篤になりやすく後遺症も残しやすいので要注意です。
麻疹にかかったことがあるかどうか不安な方は、抗体を調べてみること、そして予防接種を受けることが予防策の鍵です。
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る