目次
「コロナ禍と休養」 日本人は休み下手?
人は十分な休養を取ることで心と身体の疲れを回復させ、日々の質の高い日常生活を送ることができます。しかし、新型コロナウイルスの流行によって生活習慣が急激に変化し、多くの人が多大なストレスを感じざるを得ない状態になりました。日常生活だけでなく、リモートワークやオンライン授業の導入など、仕事や学業にも大きな変化が起き、多くの方が日々ストレスを感じながら生活しているかと思います。今回はコロナ禍における休養についてお話していきます。
日本人が休みを 取得しない理由
日本では平成31年に労働基準法が一部改正され、年に5日の有給休暇の取得が義務付けられました。しかし、日本人の有給休暇取得率は約50%と世界的にも低く、休暇を連続ではなく分割して取得する傾向にあります。日本人が有給休暇を積極的に取得しない理由として「休暇をとることに対し罪悪感がある」が挙げられます。これは仕事に対して真面目だと言われている、日本人の国民性がよく現れています。また「病気や急な用事のために残しておきたい」や「人手不足」「職場の周囲の人が有給休暇を取らないと自分も取りにくい」といった、家庭や職場の環境も影響しているようです。
コロナ禍の疲労
疲労は肉体的疲労と精神的疲労に分類されます。スマートフォンなしでは生活が成り立たなくなった現代は、引っきりなしの通知によって注意力が低下したり、就寝前のブルーライトによって睡眠の質が悪化したりと、精神的疲労を感じている方が多いのではないでしょうか。さらに、コロナ禍の影響で、リモートワークやオンライン授業へ変化したことで、自宅で座りっぱなしになる時間が増え、オンとオフの境界線も曖昧になりつつあります。また、新型コロナウイルス感染症に対する不安や、外出自粛に伴う日常生活の変化などの影響で、生活リズムが乱れ疲労が蓄積しやすい時代といえます。
上手な休養で病気予防
休養が損なわれている状態が続くと心身の疲労が蓄積し、仕事能率の低下、生活の質の低下、及び疾病・事故の原因になることがあります。また、休養不足は免疫力や自律神経機能の低下を引き起こします。例えば、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、記憶力や集中力が下がったりしてしまいます。さらに、ホルモン分泌の乱れによる肥満、高血圧、糖尿病、眼精疲労なども、休養不足が関係しています。また、精神的な疲労が続くと、うつ病などの発症も高めると言われています。健康だけでなく、仕事や生活、人生の活力にも大きく関わる「休養」の重要性について、改めて見直してみましょう。
オフの時間をつくる 正しい休養のポイント
正しい休養は「リラックス」することです。 趣味や遊びに夢中になっている時は、リフレッシュにはなりますが、身体は疲労していることもあります。正しい休養が、心身の疲労回復に繋がります。
日常生活
- 2、3分目を閉じて深呼吸をする
- 負担のない範囲でストレッチをする
- リラックス効果のあるアロマを使用する
- 熱すぎないお風呂にゆっくり浸かる
- 温かい飲み物を飲む ・好きな音楽を聴く
仕事
- 寝る前の30分から1時間は スマートフォンを使用しない
- 1日に7時間程度の睡眠をとる
- 睡眠時間と起床時間を決める
- アイマスクを付けて寝る
- 寝る前に仕事をしない
スマートフォンの使用
- メールやSNSをしない時間帯を決める
- スマートフォンに替わる暇つぶしアイテム を見つける(文庫本など)
- 家族と食事をするときは スマートフォンを持たない
- 通知はオフにする
院長メッセージ
「働き方改革」が着々と広がりつつありますが、仕事熱心で上手に休みを取れない日本人にとって一番必要なのは『休み方改革』なのではと思っています。休み方を変えれば、働き方も変わります。働き方改革=休み方改革であり、まずは、一人一人の休むことへの意識を変えることからスタートし、理想的なワークライフバランスを実現する為にはこの両輪をバランスよく走らせることが何より重要だと考えています。働くことを美徳とし、自分だけ休むのは気が引けると言った日本人特有の意識改革のためにも、上手な『休み方改革』を実践していきましょう。
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る