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ヘッドホン・イヤホン難聴に注意
3月3日は「耳の日」です。難聴と言語障害をもつ人々の悩みを少しでも解決すること、耳や聴力について多くの人の関心を集めることを目的として、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の提案により1965年に制定されました。
3月3日には耳鼻咽喉科関連施設や自治体で、難聴や補聴器に関するイベントが開催されています。さらに、耳の悩みを持っていない人に対して、病気のこと、耳の健康の重要さを知ってもらうための啓発活動が行われています。
耳の聞こえにくさ
急に耳が聞こえにくくなる、徐々に聞こえが悪くなってきた、音がこもって聞こえる、映像は字幕を表示させないとセリフだけでは意味を掴みにくいなどの症状がある場合、難聴が疑われます。加齢が原因となって進行する難聴が知られていますが、耳の病気である中耳炎・突発性難聴、メニエール病などの症状として生じることもあります。突然聞こえが悪くなった、片方の耳が聞こえにくい、聞こえの低下や耳鳴り・めまい・耳の痛みを伴う場合には早急な耳鼻咽喉科受診が不可欠です。特に突発性難聴の場合、1週間以内に適切な治療を受けることが推奨されています。
難聴の種類
難聴の体験は人それぞれです。難聴には片耳だけに影響する場合と両耳に影響する場合があり、問題が起こる部位も、内耳、中耳、外耳、あるいはそれらの組み合わせと様々です。難聴の種類と原因を知ることは、適切な治療法を見つけるために不可欠です。
| 伝音難聴 (でんおんなんちょう) |
外耳から内耳までの伝音器に生じた障害によって起きる難聴、小さな音が聞き取れないが、ボリュームを上げれば聞こえる。 |
|---|---|
| 感音難聴 (かんおんなんちょう) |
「音の判別をする部位」に問題が起こる難聴。音を認識することはできても聞き取ることが難しくなる。 |
| 混合性難聴 | 伝音難聴と感音難聴の2つの症状が合わさった状態。 |
| 機能性難聴 | 検査をしても明らかな異常がないことが多い。背景に心因的要因が関係しており、「心因性難聴」と診断されることもある。 |
ヘッドホン・イヤホン難聴とは
ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こる慢性音響性聴覚障害のことを言います。聴力はゆっくりと悪化していくため、自分の耳が難聴になっていることに気づきにくいという特徴があります。重症化すると聴力の回復は難しいと言われています。
近年、ミュージックプレイヤーやスマートフォンの普及により、若年の難聴患者数が増加しています。WHOでは、十億人もの世界の若者達 (12〜35歳)が、音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています。
難聴チェック&対策
ヘッドホン・イヤホン難聴(イヤホン難聴)は、大音量で長時間聴くことで徐々に進行し、一度失った聴力は元に戻らない恐れがあるため早期発見が重要です。
下記のチェックリストで1つでも当てはまれば危険信号、3つ以上なら耳鼻科受診を検討しましょう。
【ヘッドホン・イヤホン難聴 簡単チェックリスト】
- 1日1時間以上、続けて聴いている
- 周りの音が聞こえないほどの音量で聴く
- 使用後、耳鳴りがしたり耳が詰まった感じがする
- テレビの音量が大きいと周囲に指摘されたことがある
- 会話で「え?」と聞き返すことや、聞き間違いが増えた
- 高音が聞こえにくいことがある
【難聴を防ぐための対策】
- 「60/60 ルール」: 最大音量の60%以下、60分以内の使用にとどめる。
- こまめな休憩: 1時間使ったら10分は耳を休ませる。
- ノイズキャンセリング: 周囲の騒音を減らし、音量を上げすぎない。
当てはまる項目が多い場合は、音量を下げるか、ヘッドホンの使用を控えて耳を休ませましょう!
院長メッセージ
健診時の聴力検査で思いがけず異常を指摘される方が多くなっているような気がします。難聴は老化現象と言われていた時代から、もはや現代病になりつつあります。
「ヘッドホン・イヤホン難聴」は自覚しにくいまま進行するのが特徴で、気づいたときには回復が難しいケースもあります。ヘッドホン、イヤホンを使うときには「音量」と「使用時間」に要注意です。最大音量の60%以下、使用時間は60分以内「60/60 ルール」が推奨されています。オンライン会議が増えている現代では日々の小さな配慮が将来の聴力を守ります。
難聴は予防が最も重要です。ぜひ今日から、意識して対策をしましょう!
記事監修
せんだい総合健診クリニック院長 石垣 洋子
1981年 聖マリアンナ医科大学 医学部卒業
1981年 同大腫瘍学教室
1986年 財団法人宮城県労働衛生医学協会
2003年 医療法人社団進興会エスエスサーティクリニック
2004年 ソフィア健診クリニック院長
2010年 せんだい総合健診クリニック院長 現在に至る